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FMCブログ

マスターズユーザー田中先生の声

2011年12月14日

 静岡県フルート協会会長、日本フルート協会理事であり、マスターズフルート教室講師の田中貫一先生は、マスターズフルートをお使いいただいておりますが、この楽器を選んでいただいた理由から実際に使ってみてのご感想を、インタビューしてみました。

田中先生の使用モデルは、

M925  オフセットカバードキイ、管厚0.4、Eメカクラッチ付

足部管の種類 D管

          C#管(C#D#ローラー付き)

          C管

          H管(C#D#ローラー付き、特殊リング2個付き)

         

●マスターズを選んだ理由は?

・定年が近づいたときに楽器を買おうと思い、身近だったマスターズにした。

        (田中先生は浜松市在住です。)

●カバードキィにした理由は?

 ・それまではリングキィを使っていたが、早いパッセージでも安心して吹けるようにカバードキィにした。

●Eメカクラッチにした理由は?

・EメカはA-dur、a-moll、4オクターヴのG-Aトリル時などに邪魔になることがあるのでクラッチで切り替えできるようにした。

                            

         EメカON                        EメカOFF

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●使ってみて感じたマスターズフルートの良いところは?

・狂わなくて頑丈なところ。

・芯金コーティングやバネなど、見えない所にこだわっているところ。

・(マスターズに限らず)ソルダードにして音の芯が出て音程も良く吹き易くなった。

●困ったところは?

・3ヵ月くらいで黒く変色してしまった。汗質・楽器の材質によると思うが、これまでの楽器よりも早く変色したように感じる。

 

●どうして4種類の足部管を注文されたのですか?

                       

  先生は4本並べて眺めているそうです。           C#D#ローラー

            写真拡大                       写真拡大                   

昔の安い楽器はD管で、最初に買ったのは真鍮製でG#オープン、tr キイ・ブリチアルディキイ・Aisレバーの付いていない当時4,000円の「学生フルート」と呼ばれていた楽器だった。その思い出がありD管のフルートを探したが、なく、マスターズユーザーであるヴィーゼ氏がD管を作ったと聞き、注文すれば作ってもらえると思った。最初は、C管から注文し、いずれ全ての種類をそろえるつもりだった。

 

●4種類の足部管のそれぞれの特徴は?

D足部管…低音が楽に出て気持ち良く、一番気に入っている。

                      

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 C#足部管…D管が一番いいが、一歩妥協して使う。

        ただ、D管というのは時々あるが、C#管というのは他にあまりないと思うので良い。

 

H足部管…抵抗が強いので音の筋トレのためにソノリテなど音出しで使う。

       特殊リング2個も抵抗感が増すので筋トレのためにつけた。

       高音がキンキンしない、全体的に鳴りがおとなしくなる。

                    

                   写真拡大

    

●演奏会などではどう使い分けていますか? 

・演奏する曲で出てくる、最低音で決めている。

        

 ●これまで多くのお弟子さん(高校生)に薦めていただいているが、その理由は?。

 ・品質が良く安心して使える。地元なので工場(リペア)にすぐ来ることが出来る。

 ・総銀で100万円を超えないもの、高ければ良いと言うものではないので高校生の身の丈にあったものを薦めている。

 

以上、ユーザーを代表して田中先生にご意見を聞きました。

田中先生が出演される演奏会が12月22日にあります。

足部管はD管を使用される予定です。

ぜひ、マスターズフルートの音を生で聴いてみませんか。

演奏会の詳細はこちらです。



ピッコロ:ノックピンレス-3

2010年7月5日

皆様こんにちは

フルートとピッコロの製作を担当しております清水章智です。

 

前回6月3日公開の「ピッコロ:ノックピンレス-2」の続きとしまして、

マスターメイドピッコロの構造について説明したいと思います。

 

 

前回までの内容はこちら↓↓↓

ピッコロ:ノックピンレスシステム

ピッコロ:ノックピンレスシステム-2

 

 

~~左手・トリルキィ編~~

左手1

上図をご覧下さい、これはピッコロの左手で操作する部分です。

フルートやピッコロをお持ちの方はご存知かと思いますが、Aisレバーを押さえるとB♭の時に閉じるカップ(以下仮にB♭キィと呼びます)が動きます。

このAisレバーの動きをB♭キィに伝えるためにFMCが採用したのは「ノックネジ」方式です。これは、動きの伝え方は基本的にはノックピンと同じ考え方で、芯金の回転運動を介して離れたキィに動きを伝えます。

左手2

上図のようにAisレバー・B♭キィそれぞれを、ノックネジを使って芯金に固定します。

トリルキィも左手と全く同じ様にネジを使って芯金とキィを固定します(下図)。

トリル1

 

こうする事で、離れた場所にあるキィでも遠くから操作出来るようになっているのです。

 

また、ノックネジ方式ならばノックピン方式のメカニズム的なシンプルさを生かしたまま、芯金に穴を開けたり、ピンを打ち込むなどのダメージを与えたりする事もありません。さらにはキィの上から下までピンが貫通する事もないので、手で触れる部分から汗などの水分や汚れがキィパイプ内に入り込む心配もありません。

 

では、逆になぜ全ての箇所をノックネジ方式にしないのか。

ノックネジ方式とブリッヂ方式の使い分けとその利点とは…。

次回はそこに触れてみたいと思います。

 

投稿者:清水章智



ピッコロ:ノックピンレスシステム-2

2010年6月3日

皆様こんにちは 

フルートとピッコロの製作を担当している清水章智です。 

 

前回5/12公開の 「ピッコロ:ノックピンレスシステム」 の続きとしまして 

マスターメイドピッコロのメカニズムについて説明をしたいと思います。 

 

~~前回のあらすじ~~

フルートやピッコロには、手で直接押さえる箇所から離れた場所にあるカップを動かす必要があり、その動きを可能にしたのがノックピンを使用した2重パイプ構造です。しかし、ノックピンは芯金にダメージを与えてしまうと言う面も持っています。そこで、フルートマスターズではノックピンを一切使わずに動きを伝える方法を採用してきました。それはもちろんピッコロにも受け継がれています。小さなピッコロではたして、どのように実現しているのか…。

 

~~右手編~~

右手で操作する部分(小指は除く)のカップを仮に次のように呼ぶ事とします。

○薬指で押さえるカップ=D

○中指で押さえるカップ=E

○人差し指で押さえるカップ=F

Fの隣のカップ=F

右手1トリミング

 

フルートやピッコロをお持ちの方は手にとって動かしてみるとお分かりかと思いますが、

F♯のカップは直接手で動かす事はしませんがD ・ E ・ F の3つのどれを押さえても一緒に動きます。

特にDEF♯から離れており、動きを伝えるためには工夫が必要です。

まずは、DEの間に連絡板と言う部品を設けてDEそれぞれの動きを受け止める構造にします。

一般的なノックピン方式の場合は、この連絡板と芯金をノックピン2本で打ち抜き、F♯キィもノックピンで芯金と固定する事で

連絡板の回転運動を芯金を介してF♯キィに伝えています。これならとてもシンプルなメカニズムで実現が可能です。

しかしFMCでは、直径わずか2mmほどの細い芯金に穴を開け、楔を打ち込む事で芯金に与えると思われるダメージや、芯金やキィを貫通させる穴を開けることで

汗などの水分や汚れがキィパイプの内部に侵入する事でおきる可能性のある弊害を出来るだけ未然に防ぎたいと考えました。

そこで採用されたのが、連絡板とF♯のカップをブリッヂでつなぐ方法です。

7トリミング

 

つまりこれで一つのキィです(上図)。これならば、当然芯金には一切ダメージを与えず、連絡板の動きをF♯に伝える事が出来ます。

右手3枚

 

動きを伝える発想だけを考えればむしろこの方が単純かもしれません。

しかしただでさえスペースの狭いピッコロではこのブリッヂの回転運動を確保する事は容易ではありません。(下図参照)

右手2改

上図をご覧のように、ブリッヂが一番下に降りたときのバネ立てとのクリアランスを確保するためにバネ立てをえぐるような形状にしてあります。

ところが、単純にバネ立てを削ってしまうとバネ立ての強度を保つ事が出来ません。また、バネ立てそのものを後ろにずらして立てる事はバネの平行が保てず好ましくありません。

右手3

 

つまり、ブリッヂは出来る限り高い位置にしておきたい訳です。

しかし、逆にブリッヂを高くすると、今度はFの裏に充分なスペースを確保できません。

例えばFを押さえた時のキィノイズの原因になるほか、Fの裏を削って薄くせざるを得ない状況になってしまいます。

これらの問題を解決する切り札は企業秘密で具体的には明かせませんが、

マスターズピッコロは今までハンドメイドフルートを作り続けてきたFMCの知識と技術でこの問題を乗り越えています。

 

次回は左手とトリルキィについて掲載したいと思います。

投稿者:清水章智



ピッコロ:ノックピンレスシステム

2010年5月12日

皆様こんにちは

フルートとピッコロの製作を担当している清水(章)です。

 

これから私が発信するブログとして、

ホームページではあまり語られないような

作り手の目線から見たFMC製品の魅力や

製造工程の紹介などをしていきたいと思っています。

お付き合いいただければ光栄です。

 

連載のスタートとして

昨年発売されたばかりのマスターメイドピッコロについて…、

さらにポイントを絞って、オールピンレス・キィシステムについて

紹介したいと思います。

 

 

フルートやピッコロでは、実際に指で押える部分から

離れた場所にあるキィを動かす事が必要な箇所が有ります。

Aisレバーやトリルキィ、右手のFisの時に閉じるカップがそうです。

 

これらの、ある意味トリックのような動きを可能にするために考えられたのが

ノックピンを使った2重パイプ構造です。

 

それは、各キィパイプの中に通っている芯金の

回転運動を利用して離れた部分に動きを伝える物で、

連動させたいキィと芯金にクサビ(ノックピン)を打ち込んで固定する方法です。

(※詳細はまた後日説明したいと思います)

 

このノックピン、構造もシンプルでとても画期的なのですが

芯金の曲がりや、サビなどの原因になりやすいと言う面も持っています。

 

 

そこで、フルートマスターズでは、

当初のフルート開発段階からノックピンを完全に排除した構造を採用してきました。

 

そして、これは当然マスターメイドピッコロにも受け継がれています。

 

 

小さなピッコロの、さらに小さなキィ達、

あの狭い空間の中でどのように動きを伝えているのか・・・

 

次回、画像を交えて続きを説明したいと思います。

少し長くなってしまったので、途中ですが今回はここまでにしたいと思います。

 

 

今後をご期待下さい。

 s-CIMG1976-2

 投稿者:清水章智