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ニューオープンギス(NewopenG#)

2023.05.30
リペアの小窓

NEW-オープンG#

  前回までにEメカの機能と必要性、その改造法をお話ししてきましたが、今回は新しいスタイルのメカニズムについてお話ししたいと思います。下記の図でオープンG#の運指の問題を解消するためにできたのがクローズ式、そのために新しくNo.8の音孔が加えられました。これによってそれまでEsG#の時以外は常に小指(G#レバー)を押さえていなければならない問題が解消され、逆にEsG#の時だけ押さえれば良くなったわけですね。

しかし、本来E3G#レバーを押さえ、No.9を塞いで出すものなので高音のEは出しにくくなったのです。その点を解消するためにEメカが開発されEの運指でNo.9が塞がるようになったので出しやすくなったのです。つまり、Eメカは補助キィでは無く、本来必要な運指の為のキィということになります。ここまでは前回までの復習ですが、ここからは新しい考え方です。やはりヴェームの理想的なE3No.9は閉じている事なのでオープンG#となるのですがそれでは運指の問題は解消されません。後にドリューシステムや日本の久蔵システムは同様の考えで開発されました。これはオープンG#がレバーとカップが同芯の構造の為にNo.9を閉じるのに押さえなければならない

 構造をレバーとカップの間に回転の支点を置く事で動きを反対にすることでした。しかしこの方法はG音の運指の際、G#キィを連動するメカニズムであまりにも無理がありました。通常連動メカニズムは操作する側と連動の際受ける側にキィあり、機械的に作用しますが、このシステムはGキィから太いバネを直接G#キィに掛け、逆にG#キィから半分の細いバネをGキィに掛けることで、Gキィを操作するとバネの力の弱いG#キィが一緒に動くと言うものでした。確かに連動するように思いますが、これには完ぺきタンポの合わせ具合と微妙なバランスの安定性が求められます。またG#キィもシーソーような動きをするためタッチ感が不自然で奏者には好まれませんでした。ヴェームは後年この改善のためにG#キィをクローズにして必要な時のみ明ける新しいシステムを考案、製作しています。つまり、主列部の音孔の外側(通常は音孔の内側)に回転軸であるポスト立てたのです。Gの時には薬指を操作するのですがG#キィは常時閉じているので自然に出ます。また高音のEG#が閉じたままなので当然出しやすい状態です。ただ、中音のAG#閉じていますので抜けが悪く音程が低くなります。私は今回この点を改良した更に新しいシステムを考案しました。それは逆にクローズ式を利用し、裏G#はそのまま残し、No.9音孔を廃止すると言うのです。そしてG音孔を音程調整の為一回り大きくしたのです。これによって運指は自然で、音程の問題も解消するということになります。音の響きつながりが自然を理想とするヴェーム式としては現代でそれを継承していく方法ではないでしょうか。

 

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